学生時代に留学を無事に満期経験できた身として感じること

学生時代、留学を終えたわたしは感想文にこのようなことを書きました。

「不安な要素があるからと言って留学に踏み出さないのはもったいない」

当時某組織のテロが欧州で横行しており、そのさなかに留学していたわたしの率直な感想でした。日常でそのような事態に巻き込まれる可能性なんてとても低いはずなのに、おびえて行動を自粛していたら相手の思うつぼだからというのが、現地で生活を送ったわたしが感じたことだからです。でも今はこれは視野の狭い感想だと感じます。

他の学生の感想文を読みました。留学をしたい後輩にひとこと、という欄にはみな口をそろえて「留学にむけて一歩踏み出して」と書いてありました。これを見て少し切なくなりました。これは留学に行くか行かないか迷っている人に向けてのコメントだからです。

わたしの感想文に関しての記述に戻ります。2021年の春において、テロに代わる「不安な要素」はいうまでもなくコロナウイルスの蔓延でしょう。
仮に大学が留学生としての派遣を了解していたとしても、家族の反対を受け留学できない人もいるはずです。この事態に関係なくとも金銭面や治安面から留学を諦めた方もいるでしょう。

わたしとわたしのの周囲の感想文からは、家族の同意を得るに苦労しなかった立場としての意見しか書かれていないように感じます。家族をどう説得するか、どのように金銭面の不安を克服したのかが書かれた感想文がありません。(この点でわたしの感想文は視野が狭いと感じました。)
なので親の同意を得られない学生、金銭面で苦労している学生はやはり、留学のために書類を出すことすらできていないのだろうと思わずにいられないです。(もしかしたらどなたかにはこのような経験があっても書かなかったと言うだけかもしれませんが)

そういうわたしも家族の同意を得るのに苦労を伴わなかった側の人間なので、苦労している人に寄り添ったコメントが出来ずにいます・・・。